2005年10月9日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 先日チチアワタケ(a, b)を「キノコのフォトアルバム」に追加したが、そのときの検鏡データを掲載しておこう。胞子紋は黄褐色、胞子は紡錘形から楕円形(c)。管孔部実質はキヒダタケ亜型(d)、シスチジアなどを水でマウントしたものはコントラストが弱くて撮影に耐えないので、撮影のためにフロキシンで染めた。KOHで褐変する組織は、褐色味を帯びたピンクに染まっている。
 縁シスチジアは無数にある(e, f)。数個の子実体のうちいくつかのものには側シスチジアもみられた。側シスチジアは疎らに存在し、円柱型で多くは先端が細くなっている。柄の上部には腺点様の細かい粒点がある。この腺点部の油脂を取り除いて拡大してみると、シスチジア型の組織からなり(h, i)、中には3%KOHで褐色に染まるものもある。
 念のために担子器を確認した(j, k)。5%KOHでマウントすると担子柄はすぐに溶けてしまうが、1〜3%KOHでなら担子柄はほぼ観察できる。傘上表皮は著しくゼラチン化したcutis構造(ixocutis)をしている(l)。褐色の色素が目立つ。なお、傘表皮にも傘肉にもクランプは見あたらない。

日( )
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