2006年3月10日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 先日埼玉県小鹿野町で採取してきたキクラゲは大部分を食用に回してしまったが、一部をそのまま放置して乾燥させておいた。今朝はその乾燥キクラゲから切片を作って観察した。
 カンナ削りの要領で子実層を切り出した(a)。フロキシンを加えると、担子器などを明瞭にとらえることができる(b, c)。キクラゲ類の観察にはフロキシンは必須である。
 多数の担子器が重なり合って、構造が分かりにくい場合、子実層をバラしてしまうと楽に観察できる(d)。担子器を一つだけ選り分けてしまうと、さらに観察は楽になる(e)。久しぶりに、キクラゲ特有の姿をした担子器をいくつも確認することができた(c, f)。
 子実層をバラすには、3〜5%のKOHで封入して、カバーグラスの上から軽く圧を加え、左右に軽くずらすとよい。これには柔らかい針を備えた柄付針を使っている。要はゼラチン質部分を子実層部分と切り離しさえすればよい。ただし、力の加え加減は重要である。上記(d)〜(f)はそのようにして、担子器部分だけを分離して観察したものだ。

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