2006年4月12日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 腹菌類の胞子の一例として、ケシボウズタケ属 Tulostomaを2種取りあげてみた。2004年11月21日に愛知県の渥美半島で採取したナガエノホコリタケ T. fimbriatum var.campestre (a〜c)とアバタケシボウズタケ[仮] T. adhaerens (d〜f)である。いずれも、胞子は径4〜7μmほどの類球形である。薬局で簡単に入手できる消毒用アルコールを使って封入した。
 普通に封入すると(c)、(f)のように、胞子が何層にも重なり合った状態になる。ヒダや管孔を持ったきのこならば、水で封入するだけで胞子はきれいに一層になってくれる。ところが、エタノールの場合、胞子を一層に並べるにはちょっとした工夫が必要だ。
 一般には、適度の厚みで多層状態のものを撮影しておけばよい。それをみれば、胞子の表面模様もサイズも一枚で同時に分かる(c, f)。多層状態のものに加えて、一層の状態を作って、表面(a, d)から輪郭部(b, e)までを4段階くらいに分けて撮影することにしている。
 微妙な差異が浮き彫りにされてくるからである。ちなみにSEM(走査電顕)でみると、ナガエのホコリタケアバタケシボウズタケ[仮]とは胞子の形状がまるで違う(いずれも3,000倍)。

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