2006年5月6日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 5月4日の午後、栃木市にある出流山満願寺の奥の院(l)周辺を歩き回った。周辺は石灰岩地帯であり、奥の院に祭られる観音様は鍾乳洞の石筍である。目的のきのこには今回も出会えなかったが、スギの腐朽木からフクロシトネタケがでていた(a, b)。
 フクロシトネタケの子嚢胞子は、両端の嘴状突起と表面の疣状ないし網目状の模様が特徴的である(c, g, i)。側糸は先端がやや膨大して、黒褐色の色素顆粒がみられる(c)。胞子を水で封入して、そのまま(g, h)、あるいはフロキシンで染めて(i, j)みる限りは、胞子の両端の尖った嘴状突起は明瞭である。しかし5%KOHで封入するとにわかに様子が変わる。
 子実層をフロキシン入り5%KOHで封入してみた(d, e)。ちょっとみたところ、嘴状突起もみえず、胞子も平滑に見える(e)。しかし、よくみると、胞子表面には膨潤肥大したような透明な被膜がみえる(f)。さらにKOH濃度を高くすると、その被膜のようなものも全く見えなくなる。なお、コンゴレッドで染めると、嘴状突起の部分と表面の一部だけが染色された(k)。

日( )
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