2006年6月2日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 さいたま市の秋が瀬公園で薄暗い森のなかで鮮やかなきのこを見つけた(a, b)。一見したところスギタケのように見えるが、あまりにも色が鮮やかで、傘表皮のササクレも様子が異なる。傘に粘性は全くない。胞子紋は黄褐色(c)。
 胞子には発芽孔があり(d)、3%KOHで封入すると黄金色になる(e)。アンモニアでは水封とほとんど変わらない。ヒダを切り出した(f)。子実層托実質は並列型(g)。ヒダの先端には縁シスチジアがある(h, i)。ヒダ側面はよく見ると、先端のやや尖った紡錘形の側シスチジアがある(j)。3%KOHで黄金色に変わるシスチジアもある。クリソシスチジアらしい。
 担子器の基部にはたいていクランプがある(k)。各組織の菌糸にもクランプがある。傘表皮は色素粒を帯びた細長い菌糸が複雑に絡み合いながら平行気味に走っている(l)。あらためて、先入観抜きで観察結果だけから、複数の検索表にあたるとスギタケに落ちる。
 青木図版のチゴズギタケと(No.1960)とミヤマスギタケ(No.618)の記載が若干気になるが、いずれとも異なる。かつての青木 実氏なら、仮称をつけて詳細に記載し標本も残しておくことだろう。とりあえず、スギタケ(広義)とみなして標本は処分することにした。

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