2006年8月13日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 ちょうど一週間ほど前の8月6日に採取したオオミノクロアワタケは、その日の夜に胞子紋をとった後、とりあえず冷蔵庫の野菜ケースにほうりこんだ。採取直後に同定のため簡単な検鏡はしたものの、記録やミクロの撮影などはまったくしていなかった。
 冷蔵庫から強い腐敗臭がするので開けてみると、オオミノクロアワタケを入れた紙袋がビショビショになっていた。きのこはドロドロに溶けて、袋の中ではたくさんのウジ虫が蠢いていた。この間の猛暑と高湿度のために、冷蔵庫のなかで急激に腐敗が進んだのだろう。
 胞子は先に採取した胞子紋から楽に撮影できた(a)。しかし、きのこを持ち上げるとすぐに崩れてしまう。直ちに捨ててしまうつもりだったが、念のために撮影を試みた。管孔を2本なんとかつまみ出し、縦に半分にして切ったが、管孔部実質の観察はむりだった(b)。
 シスチジア(c)、担子器(d)等はどのみちKOHで潰してしまうから、ドロドロになった個体からでも特に問題はない。ただ、ほとんどの担子器がバラバラに散らばり、基部の組織から切り離されていた。カサ上表皮を水(e)とKOH(f)で何とかみられたのが不思議なくらいである。
 撮影後オオミノクロアワタケは台所ゴミと一緒に処分した。夏の暑い時期のきのこは、持ち帰ったら直ちに乾燥するか、早めに観察・記録をしてしまうことが必要だ。

日( )
HOME