2006年8月18日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 カメムシタケといえば、どこででも見られ、少しも珍しいものではない。今週初めの鬼怒川遊歩道の道脇には、ハナサナギタケとともにあちこちで見られた(a)。いくつか掘り出してみた(b)。ふだんよく見る楕円体ではなく、細長いひも状の頭部をもつものがあった(c, d)。これはやや赤味が強く、頭部は二股に分かれていた。
 カメムシタケを覗くのは久しぶりだ(雑記2002.9.19[その2])。最初に縦に(e)、次に横に(f)切ってルーペで見た。次に縦断面(g)、横断面(h)を顕微鏡で覗いてみた。子嚢果は斜め位置で、子座に埋もれている。孔口は細かい点状に分布している。念のために子嚢の頂部を確認した。(i)は3枚の画像の寄せ集めである。バラバラになった二次胞子は意外と少なかった。
 ひも状になった頭部の表面は分生子らしきものに覆われている(d)。清水大典「冬虫夏草図鑑」によれば、カメムシタケの不稔型と記されている。この頭部を切ると内部には白い髄がみられる(j)。これも念のために横断面を顕微鏡で覗いてみた(k, l)。
 これまでカメムシタケは多数みているが、不稔型に出会ったのは初めてだった。バラバラになった採集品は、団地の樹下に撒いて処分した。

日( )
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