2007年7月2日(月)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 先日埼玉県三芳町の多福寺の雑木林で、ヒカゲウラベニタケ、イナバノウラベニタケを採取した。このうち、イナバノウラベニタケは、検鏡写真を撮る前に蛆が多数発生し、おまけに腐敗してしまったので捨てた。今朝は、ヒカゲウラベニタケの顕鏡写真を撮影した。
 現地で撮影した個体は、まだ若くてヒダがほとんど白色だった(a, b)。自宅に持ちかえる頃にはヒダがわずかに淡紅色を帯びていた。胞子が独特の形をしているので、比較的楽に種名にたどり着ける(c〜f)。採取した個体は、乾燥気味で胞子紋はほとんど落ちなかった。
 図鑑には「楕円状紡錘形で6本の縦に走る肋状隆起がある」とある。しかし、普通に水で封入してみる限り、縦に走る肋状隆起は分かりにくい(c, d)。これを確認するには、ドライマウントをするか(e)、何かで軽く染めてエタノールやアンモニアで封入する必要がある(f)。
 肋状隆起の数を確認するには、胞子を寝かせた状態だけではなく、立ち上がらせた状態でもみる必要がある。そのためには、封入液をたっぷり満たして、胞子を泳がせる必要がある(c, d)。
 ヒダを一枚つまんで、フロキシンで染めて縁をみた(g)。縁シスチジアはない。ヒダ切片を切りだしてもそれは確認できる(h)。ヒダ実質は並列型(i)。担子器の姿(j)やクランプの有無(k)を確認した。どこにもクランプはみられない。傘表皮は菌糸状の組織が匍匐している(l)。
 ヒカゲウラベニタケは近場の雑木林などにかなりの頻度でみられるが、胞子の姿を自らの目で確認している人は少ないようだ。1枚のプレパラートで胞子(縦横の状態)を確認して、それを撮影すると、封入液の多さが邪魔をして不鮮明な写真となりやすい(c, d)。

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