2007年7月12日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 昨日の雑記で、ベニタケ科とは関わり合いを持ちたくない、と書いたが、舌の根が乾かないうちにチチタケ属を取りあげてしまった。
 チチタケは面白い(a)。新鮮な個体をみると、傘の表面はもちろん、柄も何となくベルベットのようだ。これは、まるで全身を武装しているかのように、無数の槍(厚壁で針状の組織)に被われているからだ。傘シスチジア、柄シスチジアといったところだろうか。
 この仲間は、傷つけると白いベトベトした粘液を出すので、プレパラートを作るのが面倒だ。だからかどうか、メルツァー液でアミロイド反応を示した胞子はみても、その他の組織をみる人は案外少ない。多分、一目ですぐに同定できるから、いちいち検鏡などしないのだろう。

 最初に実体鏡の下でヒダを切りだした(b)。指先がベタベタになった。次にピスに挟んで切ると、ピスやらゴミが一緒に着いてきた(c)。カバーグラスの脇からメルツァー液を注ぐと、ゴミとピスは離れた(d)。ヒダ実質をみると、球形細胞は目立たず、乳管菌糸が目立つ(e)。縁シスチジア、側シスチジアともに、槍の穂先を思わせるように、厚壁で鋭く尖っている。
 傘表皮も同様に、やや厚壁のシスチジアに被われている(g)。こちらは槍の穂先のようには尖っていない(h)。同じように、柄の上部表面をみると(i)、ここでもやや厚壁のシスチジアが乱立する(j)。胞子だけではなく、傘表皮や、柄表皮を観察すると面白いきのこは意外と多い。
 ヒダの横断面(b, c)を比較すると分かるように、実体鏡下で切り出すのは案外難しく、一定の修練が必要だが(b)、簡易ミクロトームを使うと、短時間のうちに、簡単に薄切が切り出せるようになる(c)。傘や柄の表面はヒダに比べると、さらに簡単に切り出せる。


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