2007年10月3日(水)
 
検索表を使ってみた (4)
 
 昨日の観察結果に基づいて、保育社の原色日本新菌類図鑑(I)の検索表にあたってみた。まずp20〜23にある「ハラタケ目の科への検索表」からはじめた。
 子実体の肉には球形細胞を含まないから、[1'] → [2] へ行く。子実層托実質は並列型だから [10] へ飛ぶ。胞子は角張った形をしていないから [10'] → [11] へ飛ぶ。子実体は脆く肉は薄膜の菌糸だけからなるから [11'] → [12] へ飛ぶ。子実層托はヒダ状だから [12'] → [13] へ飛ぶ。[13] には「ヒダは厚みがあり」「担子器は細長い棍棒型」「ヒラタケ型ではない」「胞子紋は白色」「偽アミロイドではない」などほぼ該当する。したがって、ヌメリガサ科ということになる。
 次にヌメリガサ科の検索表にあたってみた。p.37にあるヌメリガサ科を開いて、「属への検索表」にあたる。胞子は平滑だから [1'] → [2] → [3] → [4] → [5] まではすんなりくる。ここで傘上表皮について記されるが、観察結果は細胞状や子実層状ではなく平行気味に匍匐するから [6] を選び、ヒダ実質が並列型だから [6'] のアカヤマタケ属 Hygrocybe となる。
 次に、p.45にあるアカヤマタケ属へ飛び、「節への検索表」にあたった。これは [1'] → [2] → [3'] → [4'] とたどれるから、ベニヤマタケ節に落ちる。
 さらに、p.49の「ベニヤマタケ節の亜節への検索表」にあたると、傘は平滑だからベニヤマタケ亜節に落ちる。そこで「検索表C:ベニヤマタケ亜節」という検索表にあたった。
 胞子は類球形ではないから [1']、ミズゴケ上に発生しないから [2'] → [3] に飛ぶ。ヒダは離生ではなく直生状上生だから [4] へ飛ぶ。傘は赤色だから [4'] → [8] → [9] へ飛ぶ。ここでは胞子の幅が問題となり、3.5μm以上だから [10] へ飛ぶ。観察結果によれば、胞子は6〜8×4〜5μmだから、[10'] がほぼ近い。そこで、[11] へ飛ぶ。ヒダは三角形をなさず直生状上生だから [11'] を選ぶ。すると、右側にベニヤマタケ Hygrocybe coccinea と種名が記されている。

 そこで、p.51にあるベニヤマタケについての記述を読んでみた。観察結果と大きな相違はなく、ぼぼ合致する。そこで、はじめてPLATE7にあるベニヤマタケの図を見た。そこに描かれたベニヤマタケの絵はあまり似ているとは思えない。そこで、他の図鑑類のベニヤマタケの写真を見てみる。はたして、どういう写真が掲載されているのだろうか。


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