2007年12月8日()
 
砂粒とのバトル
 
 砂浜に出るきのこの検鏡は悩みが多い。プレパラート作成はたいてい砂粒との闘いとなる。先日も茨城県鹿島灘から砂だらけのきのこを持ち帰った。タッパウエアに入れて持ち帰りそのまま冷蔵庫に保管してあった(a, b)。今朝これをいじくってみた。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
 柄をはずし、カサをひっくり返し、青線の位置で切り出した(b, c)。次にヒダを一枚取り出し、実体鏡下で切りだした(d)。ヒダの縁が既にかなり変質している。ピスに挟んでも切れないことはないが、砂粒に邪魔されるため、きれいな切片を得ることはむずかしい。
 それでも、場所を選んで検鏡すれば、子実層や托実質などを観察することは可能だ(e, f)。ミクロレベルの砂粒は容易には取り除くことはできない(e)。微細な砂粒に邪魔されるので、封入液を多めにせざるを得ない。すると画像が不鮮明になる。悪循環である。
 シスチジアや担子器を確認しようと、フロキシンで染めてKOHで軽く押し潰すのも、なかなかうまくいかない。ここでも、ミクロレベルの砂粒が邪魔をしてくれる(g, h)。昨年の10月5日の雑記などで扱った海浜生のきのこも、プレパラートの作成にはかなり悪戦苦闘している。

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