2008年2月9日()
 
「押し潰し法」の極意?
 
 一昨日の秋ヶ瀬公園では、小さなエノキタケとアラゲキクラゲも採取した。研修の場では油浸レンズは使えず、対物40倍までで観察しなくてはならない。プレパラート初心者にとっては、きのこのヒダ切片切りだしは、そう簡単ではない。そこで、最初から押し潰し法で観察した。
 ヒダの縁から、1.5mm四方をつまみ出した。フロキシンを微量注ぎ、さらに3%KOHを加え、カバーグラスをかけた。この上に消しゴムをあて、軽く圧を加えながら、文字を消すように前後左右に動かす。KOHで浮いた状態となっているカバーグラスが一緒に動き、やがて組織がバラバラになる。組織を潰さないようにバラすのが「押しつぶし法」の極意(?)だ。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 「押し潰し法」というより「組織バラし法」というのが妥当かもしれない。これを低倍率でみると、まるで線香花火のように、組織がバラバラになっている。対物40倍にしてみると、担子器(c)、担子器基部のクランプ(d)、子実層托を構成する菌糸のクランプ(e)までよく分かる。シスチジアは大きいのでもちろんすぐに分かる(f)。

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