2008年5月25日()
 
コナヨタケ節のきのこ
 
 昨日、昼頃までしか天気がもたないだろうと考えて、目的地を変更した。pm4:00頃まで雨は降り出さなかった。歩いた地域も選択を誤り、全くのオケラで昼過ぎに帰宅した。

 帰宅してから、保管してあったナヨタケ属 Psathyrella のきのこを覗いてみた。5月22日に川越の保護林で採取したものだ(0)。カサ径は1〜3cmで、湿っているときに目立った条線は乾燥すると、すっかり消えていた(1)。ヒダの付き方は上生から直生(2)、胞子は楕円形〜カキノタネ形で7.5〜9×4〜4.5μm(3)、濃硫酸で明紫色を帯び(4)、発芽孔がある。
 

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 ヒダを一枚簡易ミクロトームに挟み込んで横断面を切り出してみた(5)。何度やってもヒダ先端が崩れたり捻れてしまう。そこで、あらためてカサのの一部をヒダ7〜8枚幅の扇形に取り出して、実体鏡の下でまとめて薄切りにした(6)。今度は、ヒダ先端は壊れなかった。どうやら、ヒダ先端があまりに薄いため、ピスにこびりついてしまい、外す時に崩れたり捻れてしまうようだ。
 縁シスチジアも側シスチジアも薄膜で、紡錘形〜フラスコ形をしている(7, 8)。今日はバラしてフロキシンで染めた写真は掲載しなかった。カサ表皮は、洋梨型の細胞が柵状〜細胞状に並んでいる(9)。
 観察結果は、ウスベニイタチタケとは全く別のイタチタケ亜属 Subgen. Drosophila のコナヨタケ節 Sect. Obtusatae を示しているようだ。このきのこは、コナヨタケ P. obtusata やアシナガイタチタケ P. spadiceogrisea などに近い種なのだろうか。

 顕微鏡のフィルターを変更した。肉眼ではとても見やすくなったのだが、カメラのホワイトバランスが狂ってしまった。今朝の撮影結果は全体がやたらと青みがかっている。また、写真(2)はいい加減な照明下でケータイカメラによる撮影だったので、ヒダの付き方が不鮮明となった。


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