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近場の腐朽木に、あまりよい状態ではないが、チャヒラタケ属のきのこがついていた。カサの表面模様、胞子(b)やヒダの様子からはクリゲノチャヒラタケを想定させる。 |
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採取したきのこは、ベッタリ潰れ、ヒダは張りつき、非常に水っぽかった。こうなると、簡易ミクロトームでのヒダ切り出しは難しい。実体鏡の下にカサ側を上にしてキノコを置いて、何枚かの薄片を切った。それらの内から比較的薄く切れたものを観察に使った(c)。クリゲノチャヒラタケであれば、比較的大きな縁シスチジアがあるとされるが、確認できなかった(d)。切片の縁ばかりではなく、ヒダを一枚寝かせて縁をみたが、結果は同じだった。ヒダ実質は菌糸が並列に走り、子実層には担子器も確認でき(e)、菌糸にはクランプがある(f)。
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他の菌に冒されたのか、奇形がかなりみられた(g)。本来の姿と比較すると、ヒダが異様に白くて大きく、全体が激しく反り返っている。7年ほど前に、日光や戸隠などでヒラタケないしウスヒラタケの奇形と思えるきのこ(h, i)を見たことを思い出した(雑記2001.7.7)。 | |||||||
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