2008年5月30日(金)
 
テングタケの仲間
 
 先日狭山丘陵から持ち帰ったオオツルタケで遊んだ。ヒダの縁は暗色で縁取られている(a)。ヒダの横断面を切り出すと、縁取り部分が欠けてしまった(b)。あらためて縁を壊さないように切り出した(c)。テングタケの仲間のヒダ実質は散開型とされるが、この標本では染めてよく見ないと分かりにくい(d)。カサの表皮部分は平行に菌糸が走る(e)。カサの表皮を薄く剥がしてそのままスライドグラスに載せ、フロキシンを加えてみると、細い菌糸が平行に走っている(f)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 胞子は薄膜で類球形(g)、非アミロイド(h)。フロキシンにもよく染まる(i)。ヒダの一部を取りだして、フロキシンで染め、KOHで封入して押し潰した(j)。担子器の基部にはクランプはない(k, l)。

 採集から3日目、標本は冷蔵庫の野菜ケースに保管してあったのだが、今朝引っ張り出してみると、白いウジ虫がウヨウヨしていた。3本あったきのこのうち、1本はドロドロにとけ、ウジ虫汁の様相を呈し、異臭を放ち、野菜にも臭いがついてしまった。残りの2本も、水っぽくなってヒダはかなり崩れはじめていた。このため、ヒダの切り出しには難儀した。乾燥機にかけて、半乾きの状態にしてはじめてヒダを切り出すことができた。それが(b)〜(d)の写真となった。


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