| 以前は、試料をピスに挟むとそのままカミソリをあてるのが常だったが、最近では簡易ミクロトームを使うことが面倒ではなくなってきた。ここ半年は、必要に迫られて何度か付け焼き刃で練習した。その成果として、徒手切片よりも安定して切り出せるようになった。 
 ふだんは簡易ミクロトームは補助的にときどき使う。プレパラート作成を10回行うと、そのうち7〜8回は、従来どおりもっぱら実体鏡下での作業である。作業用にはワーキングディスタンスの広い20倍固定の実体鏡を主に使っている。最近は照明装置も使うようになった。 
 あらためて、簡易ミクロトームの使用と、実体鏡下での切り出しとのメリット・デメリットを、場当たり的に比較してみた。適切な使い分けが妥当なのだろう。
 
|  | 簡易ミクロトーム使用 | 実体鏡下での切り出し |  
| 切り出しの難易度 | 比較的短時間で習熟できる | (たぶん) かなりの慣れが必要 |  
| 切片の移し替え | やや熟練を要する | 比較的簡単にできる |  
| 必要な道具類 | ピスと簡易ミクロトーム | 実体鏡と照明装置 |  
| 取扱試料の適不適 | 微細なもの、脆いものは苦手 | 慣れれば何でも切れる |  
| どこを切っているのか | 熟練しないと分かりにくい | 初心者でもすぐに分かる |  
| 外出時の利用 | 携帯性に優れる | 携帯性はひどく悪い |  
| カミソリの消耗度 | 数十回使用してもよく切れる | 十数回切ればナマクラになる |  
| 付随的な問題 | 適正径のピスの入手が必要 | カミソリの消費量が多い |  
| その他 | 簡易ミクロトームは入手困難 | 試料押さえジグの工夫が必要 |  |