2008年10月2日(木)
 
ヌメリ系:ハナイグチ
 
 今年は7月末から9月末まで、長い期間にわたってハナイグチをみることができた。誰にでもひとめで簡単に見分けられるきのことあって、いちいち検鏡したりする人はほとんどいない。あまりに当たり前すぎて、「今日の雑記」などでも、ハナイグチの検鏡画像というのは、取り上げたことがなかった。しかし、一度くらい取り上げてもよかろう。
 カバーグラスに胞子紋をとって、まずはドライ状態で覗いた(c)。ついで水道水で封入した(d)。管孔の先端部をピンセットでつまんで縁シスチジアを確認したが、透明で非常に見づらいので、フロキシンを加えた(e)。水道水をKOHで置き換えて軽く押し潰した(f)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 管孔部実質を確認するため、最初生状態で切り出した。ついで、半乾燥状態にしたのち、実体鏡の下で管孔部を切りだして、実質を確認した(g, h)。散開型には変わりないが、キヒダタケ亜型なのかヤマドリタケ亜型なのかよくわからない。管孔部実質やカサ表皮を観察するのであれば、生状態ではなく、半乾燥状態ないし乾燥状態にしてから切り出すのが圧倒的に楽だ(雑記2003.7.13同2005.3.2同2007.9.4)。
 カサ表皮も水(i)やKOH(j)だけで封入すると、コントラストが弱くてわかりにくい。フロキシンを加えると若干見やすくなった(k)。これは生状態のものを実体鏡下で切りだした。最期に、例によってKOHとフロキシンによる押し潰し法で担子器などを確認した(l)。

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