2008年10月4日()
 
脆いきのこ:チシオタケ
 
 これまで何度かチシオタケのカサ表皮の撮影を試みたが、いまだに鮮明な画像を得られていない。偽柔組織のような傘肉の上を3〜4層の細い菌糸が平行に走り、最上部の菌糸の表面は短い樹枝状の突起が多数でている。このため撮影には何か工夫をしないと難しい。
 とりあえず、ありきたりの胞子(c, d)、縁シスチジア(e, g, i)、側シスチジア(h)、ヒダ切片(f)、ヒダ実質(j)、担子器(l)などを撮影した。ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて縁を撮影すると、多数のシスチジアが見える。ここでは、フロキシンで染めて撮影した(e)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 さてカサ表皮だが、とても脆くて薄いため、ヒダ横断面の切り出しよりやっかいだ。生標本が新鮮でよい状態のものでないと、鮮明な画像を得られないのかもしれない。いちおう薄く切ったが、やはり不鮮明だ(k)。倍率を上げると焦点深度が浅くなり、樹枝状の短枝を出す細い菌糸はますます不鮮明になる。かといって、低倍率では、小さな樹枝状部分がうまく表現できない。

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