2008年10月22日(水)
 
クヌギタケだと思ったのだが・・・
 
 昨夕、車の給油を目的に外出したので、ついでにさいたま市見沼区の公園を覗いてみた。ウッドチップが新たに広い範囲に分厚くまかれ、きのこの姿はほとんどなかった。唯一出会ったのは、ごくわずかの干からびたツバナシフミヅキタケだけだった。
 かつては、ウッドチップの散布は年に数回だったが、昨年あたりから月に数回ほど散布するようになって、すっかり様変わりしてしまった。もはやウッドチップ生きのこの観察すら困難な状況となってしまった。今後はあまり出向くこともなくなりそうだ。

 早朝、富士山で採取したクヌギタケ属のきのこを観察した(a, b)。フィールドではクヌギタケだろうと思った。ヒダは直生ないし上生(c)。ヒダの間には脈絡枝のようなものがある(d)。帰宅して数時間胞子紋をとり、検鏡した。胞子の形やサイズはクヌギタケとしてよさそうだ(e, f)。
 

(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 クヌギタケなら独特の形状をした縁シスチジアがあるはずだ。乾燥に回す前に念のために確認しようと思い、ヒダ切片を切りだした(g)。ヒダ実質は並列型。しかし、縁シスチジアが全くみあたらない(h)。ヒダを一枚スライドグラスに載せて縁をみたが、やはりシスチジアはない。
 ヒダの縁を含んだ形で小片をKOHでバラしてフロキシンで染めてみた。やはりシスチジアは全くない。担子器を確認するだけでやめにした(i)。カサ表皮をみると、これまたクヌギタケのカサ表皮とはかなり違う。となると、これはクヌギタケ属ではあってもクヌギタケではないことになる。
 国内で見られるクヌギタケ属 Mycena は、まだまだ未解明なので、新産種や新種がゴロゴロしている。これ以上の探索をすると、文献地獄に陥ることになるので、ここでやめにした。

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