2008年11月17日(月)
 
ありふれたきのこ
 
 同定のための観察では、ポイントだけを検鏡して撮影まではしない。そのため、ありふれたきのこは多くが検鏡画像無しとなる。たしかセンボンイチメガサも検鏡画像は撮影していない。そこで、きのこ鍋に入れずにとっておいた個体を使って、今朝撮影した。
 乾くとカサ表皮のヌメリは全く無くなり、周辺部の条線も消えてしまった。柄上部のツバは繊維状ないし綿クズ状で、すぐに消失してしまう(b)。柄はツバより下では繊維状でササクれ、内部は中空。ヒダは直生(c)。胞子を水道水(d)とKOH(e)で封入した。KOHで封入すると蜂蜜色となる。胞子は非アミロイド。時間が経過しているのでヒダ切片は綺麗な姿では切り出せなかった。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 ヒダ実質は並列型(f)、側シスチジアはなく、縁シスチジアがある(g)。ヒダの横断面を切り出すまでもなく、ヒダを一枚スライドグラスに寝かせ縁をみると、縁シスチジアの有無は分かる(h)。
 フロキシンで染めKOHで封入し、カバーグラスの上から軽く押し潰してくと、シスチジア(i)や担子器(j)がバラバラになる。担子器の基部にはクランプをもつものともたないもの両者がある。菌糸にはクランプがあり(k)、カサ表皮には菌糸が平行に走っている(l)。

日( )
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