2009年8月21日(金)
 
まるで線虫のような胞子
 
 18日から昨日まで埼玉県熊谷で行われていた日本蘚苔類学会第38回埼玉大会に参加し、昨日帰宅した。今日は安比高原フォーレの申込み締切日(必着)。参加するつもりで申込みを忘れているのであれば、今日のうちに E-mail などで、担当部署に連絡を忘れないようにしたい。

 テングノメシガイ科のきのこには面白いものが多い。富士山の針葉樹林では至る所でコゲエノヘラタケの群生を見ることができる。ヘラタケでは軍配形の部分と柄とがほぼ同色であるが、コゲエノヘラタケの柄は「焦げ柄」の名の通り濃褐色をしている。
 

(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 胞子紋をとるご一瞬ギョッとする。まるで無数の線虫が蠢いているかのようだ(c)。軍配部分を横断面で切ってみると周囲に子実層がある(d)。胞子は棍棒型の子嚢に入っている(e)。子嚢先端は非アミロイド(f)。側糸は紐状で先が湾曲するが、しばしば螺旋状になる(j)。
 細長い胞子は、おおむね整然と子嚢に収まっているが(f〜h)、しばしば螺旋状になっている(i)。子嚢を見ていると、胞子が先端から次々に放出されるのを見ることができる(k, l)。

日( )
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