2009年12月15日(火)
 
乾燥標本からハタケキノコ
 
 先日乾燥標本にしたヌメリイグチをみたので、今朝は11月20日にさいたま市で採取したハタケキノコを覗いて遊んだ。当時は大群落があちこちにできて、新鮮な個体が溢れていた(a, b)。しかし、他に見る必要のあるきのこがあったので、胞子紋だけとって直ちに乾燥させた。今朝取り出してみると、比較的原形を保っている(c)。しかしヒダは結構クシャクシャになっていた(d)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 胞子には発芽孔があり(e)、封入する水をやや多めにすると、何ヵ所かで発芽孔が上を向いていた(f)。ヒダをスライドグラスに寝かせてフロキシンと水で封入した。縁には縁シスチジアがある(g)。ヒダ切片は生標本から切り出した方が綺麗な姿を得られるが、かなり縮れた乾燥標本からでも撮影に堪えうる切片を切り出せるものだ(h)。これを見ると側シスチジアはなさそうだ。フロキシンで染めると縁シスチジアが浮かび上がってきた(i)。
 あとは生標本からのときと同じく、ヒダを押しつぶせば、担子器や縁シスチジアの形やサイズを計測できる(j)。担子器の基部にはクランプがあり、ヒダ実質やカサ肉の菌糸にもクランプがある(k)。カサ表皮の様子はいまひとつはっきりしない(l)。

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