2010年7月10日()
 
カサ表皮:アイタケ型
 
 今朝は梅雨時の今の時期としては非常に珍しく、自宅ベランダから富士山が見える。過去に梅雨時に富士山を見たという記憶はない。話変わって、今日と明日は千葉市で日本地衣学会の大会が、明後日はワークショップが行われる。一方、蓮田市のワイさん宅で菌懇会の試薬作りを行うので手伝って欲しい、とジイさんから要請があった。千葉に行くかそれとも蓮田に行くか、少々迷ったが今日は蓮田に行くことにした。明日の大会と翌月曜日のワークショップには参加するので、明日の小田原市には行かないことになる。

 保育社図鑑では、上表皮層の構造の一つとして「アイタケ型」という用語が使われている。偽柔組織の最上部の細胞上に直立したシスチジア状の末端細胞があるものをいうとある。具体的には、アイタケ、ヒビワレシロハツ、カラムラサキハツ、クロチチダマシ、クロチチタケ、フチドリクロチチタケ、ウスイロカラチチタケ、ヒロハウスズミチチタケなどのカサ表皮がそうだとされる。
 

(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 川越市や狭山市ではアイタケが最盛期を迎えている。カサ表面の独特のひび割れ模様が出たものはわかりやすい(a, b, c)。しかし若い菌では、カサ表皮が割れていないケースも多々ある。そんな場合、カサ表皮の構造を見ると、アイタケか否かの手がかりが得やすい。
 ただ、見慣れていないとアイタケ型か否かがわかりにくい。ここでは、カサ表皮を含めた横断面を切り出し(d)、それを水で封入(e, f)、フロキシン染色(g, h)したものを列挙してみた。見慣れると、カサ表皮部分を押し潰しても特徴はわかる(i, j)。この場合もフロキシンで染めた方がコントラストがはっきりしてわかりやすい(雑記2008.7.25同2009.8.13同2009.7.17)。

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