| 2010年8月24日(火) 
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| 川越市の雑木林や狭山の緑地帯では、わずかにクロチチダマシがみられるが、このところの乾燥でまともな個体はほとんどない。一方、奥秩父の針葉樹林にはいたる処にクロチチタケが出ていた(a, b)。一年ぶりにクロチチタケを覗いて遊んだ(雑記2009.8.13)。 
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|  (a)
 |  (b)
 |  (c)
 |  (d)
 |  (e)
 |  (f)
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|  (g)
 |  (h)
 |  (i)
 |  (j)
 |  (k)
 |  (l)
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| 持ち帰ったきのこの大半は、この2日間ですっかり傷んでスケッチや検鏡には耐えられなくなっていた。クロチチタケもヒダが黄色っぽくなり、ヒダの間にはウジ虫が多数蠢いていた。胞子紋には多量の桿菌が蠢き、きれいな姿の胞子を捉えることはできなかった(d)。 ヒダを1枚外して縁を顕微鏡でみると、薄膜で細長い棒状のシスチジアがある。透明で見にくいのでフロキシンで染めた(e)。あらためてヒダの断面を切り出して(f)、ヒダ実質を見た後(g)、メルツァー液を加えて(h)、先端を見た(i)。縁シスチジアがわかりにくい。あらためてヒダの一部を押しつぶしてフロキシンで縁シスチジアを確認できた(j)。担子器の基部にクランプはない(k)。カサ表皮はいわゆるアイタケ型(l)。押しつぶしてしまうと、カサ表皮の構造は不明瞭になる。
 今回観察したクロチチタケは乳液が比較的少なかったが、それでもすぐにカミソリの刃がべたついて切れなくなる。検鏡している合間に、机上にはウジ虫が多数這い出していた。
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