2010年10月18日(月)
 
カサ表皮菌糸にクランプあり
 
 愛媛フォレーに出発する前に採取したドウシンタケ(a)についてのメモ。内被膜の残滓が付着しているのだろうか、ヒダが褐色に縁取りされている(b, c)。胞子は大きな楕円形で(d)、非アミロイド(e)。ヒダ実質は散開型(f, g)。カサ表皮は細い菌糸が平行に走っている(h)。
 一般にテングタケの仲間にはクランプを持った種は少ない。ベニテングタケなど一部のテングタケ属では、カサ表皮の菌糸に時としてクランプがみられる。このドウシンタケには、カサ表皮の菌糸に高い頻度でクランプがみられた(i)。しかし、カサ肉やヒダ・柄の組織にはクランプは見あたらなかった。以前観察したドウシンタケのカサ表皮にはクランプはなかったように記憶している。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 今月10日から始まった柏崎市立博物館の秋季特別展「キノコの魅力再発見」が好評だ。特別展は11月14日まで。展示もさることながら、注目したいのが沢田芙美子画伯のキノコ絵だ。菌類懇話会の初代代表でもあった沢田画伯は、長年きのこ絵を描いてこられたが諸般の事情からキノコ画との決別を決意され、自らの全作品を柏崎市立博物館にすべて寄贈された。今週末の土曜日に、沢田画伯の絵とご本人に会うために柏崎まで行ってくることにした。

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