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新潟県のブナ林(a)でブナ倒木からでていたアカチシオタケ(b, c)を覗いて楽しんだ。クヌギタケ属のうちクヌギタケ節やチシオタケ節では、縁シスチジアやカサ上表皮の菌糸に独特の突起をもったものが多く、それが種を特徴づけている。ルーペでヒダをみてもそれを感じられる(d)。胞子はえてしてどれもほぼ似通っており(e)、非アミロイドのものが多い(f)。
ヒダの断面を見ても、縁シスチジアがあるようには見えない(g, h)。しかしヒダを一枚寝かせて縁をみると、奇妙な姿の縁シスチジアが密集していることがわかる(i, j)。3%KOHで封入して軽く押しつぶすと、その姿が明瞭に捉えられる(k, l)。ヒダの断面を低倍率でみても、側シスチジアがあることはわかり(m)、これは長い紡錘形や便腹形をしている(n, o)。 |
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担子器の基部には、クランプをもつタイプと持たないタイプの両者が混在していた(p)。菌糸自体はヒダ実質でもカサ肉でも、柄でもクランプがある。やっかいなのがカサ上表皮の観察だ。きのこの状態がよく、運がよければ楽にカサ上表皮の構造を確かめることができる。でも、たいていはそう簡単に表皮菌糸の実体を見せてくれない。 カサ肉の上にやや太めの表皮菌糸がある。さらにその上に薄い層をなして、細くて疣が多数でたような姿の菌糸が匍匐している。これが重なり合ってわかりにくい(q)。ここまでわかれば、フロキシンやコンゴーレッドなどで染めてKOHで封入して軽く押しつぶすとわかりやすい(r)。 |
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