2010年11月22日(月)
 
ラテン語:やさしい入門書
 
 勝本謙『菌学ラテン語と命名法』では冒頭36ページの中に、名詞・形容詞・代名詞・数詞・造語法など、ラテン文法のエッセンスがコンパクトにまとめられている。動詞は基本的な説明だけにとどめ、そのぶん菌学関連の語彙に最大限ページを割いている。参考文献には、ラテン語の学習書として呉茂一『ラテン語入門』(1952, 岩波書店, 311pp.)が掲載されているが、この書は独習用の入門書としてはちょっと難しい(大昔、学生時代に教科書として使わされた)。
 岩波版『ラテン語入門』が大学生のための入門書なら、小学生のための入門書が有田潤『初級ラテン語入門』だ。これは200ページほどの教科書で、達成感が得られやすいように、全体が34課に分けられ同じ語彙や例文が何度も繰り返し現れる。細かい文法事項は省略し、第27課で初めて登場する接続法も、三人称だけに限定してサラッと流してある(種の記載には不要)。そして接続法の活用諸型を覚えなくても読了できるよう工夫されている。
 きのこの分類に興味があって、和名と併せて学名を覚えることができる人なら、『菌学ラテン語と命名法』の冒頭の内容は、2〜3週間もあれば楽々修得できるだろう。また有田潤『初級ラテン語入門』なら1〜2ヶ月もあれば読了できるだろう。しかし、何度観察してもそのきのこの和名すらろくに覚えられないわが身には、望むべくもない夢のような話だ。今日は午後から筑波へ。

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