2011年9月21日(水)
 
担子器に2胞子と4胞子
 
 富士山のシラビソ林で朱色のアカヤマタケ属 Hygrocybe のきのこを採取した。冷蔵庫に保管したままほぼ1週間が経つ。そろそろ急激に傷みが激しくなりそうだ。週末に向けて尻に火がついているギリシア語ゼミ。しかし、なぜか他の作業をやりたくなる。合間にチラッとみた。
 担子器は2胞子性のものと4胞子性のものが混在し、同一子実体でも、ヒダの位置によって、両者の比率が異なる。あるヒダの部位では殆ど2胞子性担子器しかない。また、4胞子性の担子器ばかりが目立つ部位もある。いくつもの子実体について担子器の確認をしたが、どれも同じ傾向だった。相対的にみれば、多くが2胞子性で少数の4胞子性担子器をもつ。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(a ,b) 朽木やコケの中から発生、(c) ヒダ側、(d) 標本:柄の基部は黄色、(e) カサ縦断面、(f) カサ表面、(g) 胞子:メルツァー、(h) ヒダ実質、(i) 担子器:フロキシン、(j) ヒダ実質の菌糸:クランプあり、(k, l) カサ表皮

 菌糸にはクランプがあり、胞子は非アミロイド。保育社『原色日本新菌類図鑑』の検索表をたどると、素直にアカヌマベニタケに落ちた。種の解説を読むとどうやらアカヌマベニタケとしてよさそうだ。廃棄処分のつもりだったが、とりあえず乾燥機にかけた。
 ふと机上をみれば、ギリシア語のテキストと開いたままの分厚い辞書。さらに動詞活用表を前に、ノートはいまだ真っさらだ?!?!

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