2011年9月27日(火)
 
異形胞子の混在比率
 
 一昨日南会津で採取したHygrocybeには大型と小型の胞子が混在している。保育社図鑑によればネッタイベニヒガサ H. firma となる。西日本では珍しくも何でもないが、関東以北では採集したという話はあまり聴かない。本標本を採取したのは福島県昭和村(alt 1000m)だが、一昨年同じ福島県の土湯峠(alt 1240m)でも採取している(雑記2009.8.4)。
 和名の「ネッタイ=熱帯」から推察できるように、スイスの菌類図鑑やヨーロッパのキノコ(FUNGI EUROPAEI) Vol.6の "HYGROPHORUS" には掲載されていない。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 大型胞子と小型胞子の混在比率はどうなっているのだろうか。胞子紋から大小の胞子数をカウントすればよいと思われるが、これが簡単にはいかない。カバーグラスに採取した胞子紋ひとつみても、場所によって大小の混在比率が大きく異なっている(a〜c)。倍率を上げるとカウントはしやすい(d, e)。大小の胞子は長さ・幅で倍以上も異なり、重さでは8〜20倍の差がありそうだ(f)。何らかの工夫をしないと、両者の混在比率をだすのは無理のようだ。

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