2012年8月2日(木)
 
チギレハツタケを覗いた
 
 中通りや会津地方では、あちこちでチギレハツタケが頻繁に見られる(a, b, c)。Russula(ベニタケ属)は種の同定にあたり、これといった決め手に欠けるのでなるべく手を出さないようにしてきた。先日の下郷村でも大量発生していたので少し持ち帰った。
 おきまりの呈色反応は現地で試みた(d)。持ち帰ったものはカサ部を1cm角ほど切り出しカバーグラスに載せて胞子紋をとり、それ以外は直ちに乾燥した。胞子はメルツァー試薬で封入し(e)、ヒダ断面は乾燥標本から切り出しメルツァーで封入した(f)。
 シスチジアは縁も側も同じような姿形でサイズにはかなり幅がある(g〜j)。カサ表皮を水で封入してもよくわからないので、KOHで再度確認したが、コントラストが弱いためかなり目が疲れる。そこでフロキシンで染めて確認した(k, l)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 いわき市は、福島県の中では夏涼しく冬暖かいという過ごしやすい気候の土地だが、ここしばらくは猛暑が続いている。ただ、朝夕は涼しくなるのが川口市とは違う。最近ずっと降雨がないせいか、自宅から半径30km圏ではほとんどきのこの姿が見られない。

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