2012年10月22日(月)
 
クギタケとオウギタケ
 
 この10月は何度もクギタケやオウギタケに出会った。ともにGomphidiaceae(オウギタケ科)のきのこで、分類学的にはハラタケ科とイグチ科の中間の位置に置かれてきた。Chroogomphus(クギタケ属)とGomphidius(オウギタケ属)はカサ肉の色、カサ表皮のゼラチン化、ヒダ実質のアミロイド反応などが異なるとされる。
 ここに掲げた子実体はいずれもつい最近川内村で撮影したものだ。プレパラートは乾燥標本から作った。上段にクギタケを、下段にオウギタケを並べた。顕微鏡でみたとき、最も顕著な差異を見るのはヒダ実質のアミロイド反応と、カサ表皮をKOHで封入したときの様子だ。
 
 
子実体
 
カサ裏
 
胞子
 
シスチジア
ヒダ実質
メルツァー
 
カサ表皮
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 昨日はつくば市の筑波実験植物園でおこわなれている「きのこ展」に行ってきた。恒例のきのこ・地衣類の室内展示、ボランティアによる催し、野生きのこの展示・解説、園内のきのこ案内、講演会など、来園者を楽しく過ごさせてくれる工夫に溢れていた。よくみると園内にはいたるところに野生きのこが見られた。なお、きのこ展は10月28日(日)まで行われている。

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