2013年7月6日()
 
WRAYCAM-NF130試用記 (1)
 
 一昨日夕刻、(株)レイマー社からUSBカメラWRAYCAM-NF130のデモ機が届いたので、昨日から試用にとりかかった。まず最初の懸念は、取扱説明書にある「推奨動作環境」だった(a)。メインのPCは7年前の機種でOSこそWindows7にアップグレードしたが、CPUがやや非力(b)。案ずるより産むが易しで、ドライバーソフトも操作用ソフト(WraySpect)も問題なく動いた(c, d)。

 日常使っている顕微鏡はNikonの古いBIOPHOT(対物レンズはアポクロマート)。この機種の場合、WRAYCAM-NF130に専用のCマウントリレーレンズ(X0.45)を装着して三眼部に落とし込むだけでいたって簡単だ(c)。製品には変換アダプタが二つ付属するので、ほとんどの顕微鏡・実体鏡の接眼レンズをはずせばそのまま装着できる(e, j)。Olympusの古いタイプ(CH2)の三眼部にとりつけるにはオプションのアダプターリテーナJON28が必要だ(i)。

 一眼レフボディーによる撮影と比較すると、操作性ははるかに良い。デモ機として借り出したのは最も安価で画素数の少ない機種(MAX 1272X1016pxl)だったが、画質については、ほぼ満足できるものだった。何よりも画面を常時キャプチャーしてその一断面を切り取るため、メカニカルなショックはゼロであり、画面が明るいことが大きな取り得となる(f, g)。画面上を流れたり動きの止まらない胞子でも、全く気にすることなく撮影できる。一眼レフではこうは行かない。
 この手の装置では、撮影解像度よりもプレビュー解像度を低くして、ズルズルと引きずるような不快感を押さえるの常道だ。しかしNF130程度の画素数であれば、両者の解像度を同一にしても、不快感はあまり感じなかった。また撮影に要する時間も、JPEGやTIFF形式の場合ほとんど瞬時であり、一眼レフの場合のように数秒間待つ必要は全くない。露出や色味の調整はオートとマニュアルが選択できるが、両者ともにオートの性能は思いの外高かった。

 画像の保存のファイル形式は静止画の場合、.bmp、jpg、.tif、.rawの四形式だが、残念ながら相変わらずJPEGの圧縮率を選択することはできない。仕様ではWindowsVistaでも稼働するとあるが、試みた2機種(HP DC7800S、AcerPower1000)ではドライバーソフトがエラーとなって導入できなかった。Vista SP1でもSP2でもともにエラーとなった。
 

(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 3万円弱の安価なノートパソコン(h, i)や、低スペックの古いラップトップパソコン(WindowsXP)でも試してみた(j〜l)。さすがに10数年前のラップトップでは、キャプチャー解像度を下げないとひどく追随性が悪くなった。なお、この試用に供したプレパラートは、コガネテングタケの胞子(アミロイド)(d, f, g)と松葉の断面(j, l)を用いた。顕微鏡のレンズはBIOPHOT以外は普通のアクロマートレンズ。パソコンはいずれもWindowsで、XP、Vista、7 を用いた。
 今日までの時点での結論としては、現行の一眼レフボディ(Olympus E-410)による撮影方式は廃止して、レイマー社、Tucsen社等のキャプチャー方式に乗り換えることになりそうだ。
  ※ 昨日の雑記の胞子写真(l)は本日の画像(g)の明るさを調整したもの

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