2013年7月30日(火)
 
行く先々できのこはなかった
 
 先週の土曜日、激しい雨の中いわき市を出発したが、昼前には雨はすっかり止み、長野県でも日曜日の新潟県でも雨には降られなかった。八ヶ岳南部をはじめ訪ねた地はどこもすっかり乾燥していてきのこの姿はいたって少なかった。
 国道20号線の塩尻峠は地元では塩嶺峠とよばれ、峠の頂には塩嶺御野立公園という自然林が広がる。ここは多種多様なきのこがよく発生するので、ひょっとしてと思って行ってみた。ここもひどく乾燥していて出会えたのは、駐車場脇のコケの中でアヤメイグチ、池の周辺でアセタケ類、キツネタケ類、チャワンタケ類など限られた数種だけだった。
 採取したきのこは車に置いたクーラーボックスに収めて持ち帰ったが、いずれもかなり傷みが進み胞子紋を取ったり切片を切り出すのは無理な状態だった。アヤメイグチも例外ではなかった。そこで孔口部の一部をつまみ出したりカサ表皮をだましだまし薄切りしてみた。
 カサ表皮は暗褐色の色素粒を帯びた細胞がいくつか連なった状態で柵状に並んでいるが(f)、KOHで封入すると全体にコントラストが弱くなり、色素粒は全く溶けてなくなってしまう。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(a) 子実体、(b) 管孔面、(c) 胞子、(d) 縁シスチジア、(e) 側シスチジアと担子器、(f) カサ表皮:水で封入

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