2013年8月13日(火)
 
ヤマドリタケ亜型とキヒダタケ亜型
 
 保育社『日本新菌類図鑑』には子実層托実質の菌糸模様が並列型、錯綜型、散開型、逆散開型と四タイプ掲載されている(雑記2008.7.19)。さらにイグチ類の両側型(散開型)に関して、シンガーにならってヤマドリタケ亜型(イグチ亜型)とキヒダタケ亜型に分けて文字だけで簡単に説明している。でもこの両者の説明を何度読んでも、やはり違いがよく分からない。両者の違いを把握するには、ヤマドリタケとキヒダタケの管孔やヒダを切り出してみるのが最もよい。

ヤマドリタケ亜型
 (イグチ亜型)
両側型の一型で,その側層は中軸から外側に向かって散開した,ゆるく交錯して走る菌糸から構成されており,中軸よりも淡色(ほぼ無色)で,一般にゼラチン化している(b)
キヒダタケ亜型両側型の一型で,側層は互いに密着して走る菌糸より構成され中軸から外側にわずかに開散し,中軸と同色を呈する(b')

 ヤマドリタケにはなかなかお目にかかれないが、ヤマドリタケモドキなら国内どこにでも出る。ちょうどキヒダタケもヤマドリタケモドキも今頃はよく発生している。管孔部実質を確認するためなら、顕微鏡は安物の学習用単眼顕微鏡で十分だ。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(a')
(a')
(b')
(b')
(a)
(a'')
(d)
(b'')
ヤマドリタケモドキ
キヒダタケ
ハナガサイグチ

 [参考] 雑記2010.7.1同2009.8.27同2009.7.25同2008.10.2同2008.9.13、etc.

日( )
HOME