2014年5月25日() 今年初のテングタケ属菌
 何日かぶりに海辺の寺社林を歩いてみた。アカマツとコナラの混交林で、1メートル四方の間に10数本のAmanita(テングタケ属)がでていた。カサ表面には黄色の微細な粒が付着し、早落性のツバの上面は淡黄色で裏は薄黄〜薄茶色、ツボは浅く類球形をしている(d)。子ヒダの後端は切型ではない(e)。カサ表皮は繊維状で容易に剥離し、溝線は無さそうだ。胞子はアミロイド(f)。
 保育社図鑑に従えば、マツカサモドキ亜属のタマゴテングタケ節に落ちる。さらにタマゴテングタケ節の検索表をたどるとクロコタマゴテングタケに落ちる。

 なお、この付近にはキンランが多数自生していてちょうど今の時期花を咲かせ始めている。よくぞ盗掘されずにこれだけ多数の株が残っているものだ。ヒロハシデチチタケも出始めた。
 

(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 先日の雑記(2014.5.23)で取り上げたウラベニガサ属のきのこ(g)についての補足(h〜l)。乾燥標本からシスチジアとカサ表皮の組織を再確認した。いずれも3%KOHで封入したが、シスチジアについては薄膜で無色(h〜j)、カサ表皮の組織については薄膜で黒い色を帯びている(k, l)。


日( )
HOME