2014年7月28日(月) Mycena(クヌギタケ属)の楽しみ
 Mycenaの仲間はもろくて小さなきのこが多く、持ち帰ったときにはペシャンコになっていたり干からびてしまうことがしばしばだ。また、乾燥させるとクシャクシャになって、時にはどこがヒダなのかカサ表皮なのかも分からなくなってしまう。でもミクロの姿を楽しめるものが多い。
 つい最近持ち帰った二種のMycenaで、そのミクロの姿を楽しんだ。キュウバンタケ(a)はカサ表皮がおもしろい姿をしている。持ち帰った生標本はすでにクシャクシャになっていた。カサ表皮を切り出したがやはり上手く行かなかった(b)。倍率を上げて、合焦位置を少しずつ変えるとおもしろい姿が見られる(c, d)。フロキシンで染めるとまた違った姿が見えてくる(e, f)。
 ハナオチバタケはピンク色であれ褐色であれ、しっかりしたきのこなのでほとんど型崩れせずに持ち帰れる(g, h)。このきのこのヒダの縁シスチジア(i, j)とカサ表皮のシスチジア(k, l)は同じような形をしている。図鑑などには「箒状細胞」などとあるが、モグラの手を連想させられる。
 非常にもろいキュウバンタケとかなりしっかりしたハナオチバタケでは、プレパラート作りの困難さには雲泥の差がある。両者ともカサ表皮のシスチジアはその全体像を一枚の画像写真で表現することはほとんど不可能だ。だから図鑑の描画はイメージを表現したものだ。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 昨日は午前中耐え難い猛暑だったが、昼過ぎに雷雨が通り過ぎたあとは急に涼しくなった。


日( )
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