2014年12月24日(水) 自宅庭に見られる硬いきのこ
 いわき市の平地域は冬でも雪がほとんど降らず、福島県の中では特異な地域だ。とはいってもやはり東北地方、12月ともなるとさすがに軟質菌はほとんど見られない。しかし、わざわざ外出せずとも、自宅の庭には硬質菌が何種類も見られる。そこでこれらを少しずつ気の向くままに観察することにした。今日取り上げたのはアラゲカワラタケ。
 カサの上面にビッシリ生えた疎毛が特徴的だ。成菌から老菌では疎毛も白色から灰白色になるが(a, b)、若い菌では茶褐色で柔らかい(f)。裏面の管孔を定規と一緒に撮ってみた。図鑑などには孔口は1mmに3〜4個と記されるが、確かにその程度だ(i, j)。
 フロキシン・消しゴム法で菌糸をバラしてみた(雑記2010.7.31)。原菌糸はフロキシンで赤く染まりクランプが見られる(k)。骨格菌糸と結合菌糸も見られる(k, l)。三菌糸型だ。試料が多すぎて厚ぼったかったり、ほぐし方が足りないと、菌糸がゴチャゴチャになって、菌糸の型が見分けにくい。担子器らしきものはあったが胞子は見つけられなかった。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 自宅の庭にはざっと数えて蘚苔類が30〜40種、地衣類が40〜50種ほど見られる。それらと比べると、硬質菌の仲間はずっと少ない。


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