2015年6月1日(月) バッカクキンに体を乗っ取られたアリ
 昨日国道六号線を経て飯舘村の「あいの沢」自然公園に行ってみた(a)。一体はすべて「立入禁止」区域となっていて、「除染」作業が休みとなる休日しか近寄れない(b)。
 水芭蕉の終わった松混じりの小沢をみると(c)、カンムリタケがポツリポツリと散在していた(d)。キャンプ場や周辺の森はすっかり乾燥していて、昨年発生したカラスタケやニンギョウタケの乾燥姿が転がっていた。さらに「除染」作業に伴う灌木の伐採でとても歩きにくい。
 ここに来た主目的は、コブガタアリタケ菌に侵されたアリがもがき苦しみながら前顎で枝に食らいついている姿を確認することだった。まず、コブガタアリタケの子実体を帯びたアリや(e)、そのコブガタアリタケがカビに侵されたものを見つけた(f)。昨年発生したものだろう。
 ついで、まだ子実体はまったく発生していないが、明らかにコブガタアリタケの菌に侵されて前顎で枝に食らいついているアリの死骸をいくつか見つけた(g, h)。さらに注意深く見ていくと、生きたアリの断末魔の姿を見ることになった(i〜l)。枝にしがみついてすでに死んでいるアリの周囲を苦しそうに動きまわっているアリや(i〜lのピンぼけ姿)、枝に食らいついてその場からは動けなくなったが、苦しそうにもがいているアリ(i, jの左下のアリ)などが見つかった。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 残念ながら動画撮影のできるカメラを持っていなかったので、やむなくケータイ(ガラ携)の貧弱な動画機能を使って、苦しみ動きまわるアリと、食らいついた状態で苦しむアリの姿を撮影した→ピンぼけ動画:上記(i)〜(l)はピンぼけ動画と同じ場面の一カットだ。

 ここは大規模「除染」の開始で、灌木はことごとく切り倒され、地肌は根こそぎ抉り取られ、川砂のような細かな砂利が敷き詰められ始めた。もはや自然公園の姿はない。今後しばらくはこの場所でキノコや虫草の発生はなさそうだ。もはやこの場所に行くことははないだろう。



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