2016年1月12日(火) チャウロコタケ:二菌糸型でクランプなし
 肉眼でほぼ確実に同定できてありふれたキノコというと、普通はいちいちていねいな観察やら検鏡などはしない。チャウロコタケもそんなきのこの一つだろう(a〜c)。このキノコは過去に何度か検鏡しているが、撮影したことはなかった。そこで今回は検鏡したおりに初めて撮影した。
 子実体の断面をみるとカサ上の毛被と子実層との間に濃色の下皮がある(d)。落ちないだろうとは思ったが、念のために24時間かけて胞子紋をとってみた。結果は全く胞子が落ちなかった。今回もアミロイドだとされる胞子の確認はできなかった。
 菌糸構造を確認するために、キノコの一部を微量切り取ってKOHで封入してほぐした。ちょっと見には硬そうに見えるが、意外と簡単にほぐれた。これをフロキシンで染めて顕微鏡下で覗いてみた。二菌糸型で原菌糸にはクランプがない(e, f)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 日光市南部では昨年の12月半ばからずっと雨も雪も降っていない。それでもニガクリタケやエノキタケはたくましく生育していたが、昨日はさすがにすっかり干からび切っていた。


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