2016年9月29日(木) センボンキツネノサカズキ:健在だがずいぶん減った
 月曜日(9/26)の午後、福島県川内村でセンボンキツネノサカズキの発生状況を見て回った。原発事故に伴う「除染作業」のため分布域の2/3ほどが消滅してしまったが、今年も複数の領域で発生を確認できた(雑記2015.9.30同2014.9.28同2013.9.29同2011.10.3、etc.)。ただ、今年は総じてきれいな株は少ない(a〜f)。連日の過剰な多雨と高温のためか、発生した当初から黴などに侵されたり、成菌になる前に腐敗が始まった株が多かった。
 また川内村のもう一つの代表的なきのこであるコウボウフデは発生が始まったばかりで、まだ小さな若い菌が多い。今週末あたりになれば柄が今少し伸びるように思えた(g〜i)。
 川内村発行の「観光ガイド」(j)の「秋」のページ(k)には、センボンキツネノサカズキを「世にも珍しいきのこ」として紹介している。ここには『もし、見つけた場合は、そっとしてあげてください』と明記してある(l)。同村には毎年発生する場所としてはおそらく日本で最も広大なコウボウフデの発生地があるが、それらについては触れていない。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
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(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 今回福島県内から持ち帰ったきのこ標本の多くが、数日間冷蔵庫に保管しておいたにも関わらず、早くも全体が黴に侵されたり、小さな虫に食われてボロボロになっていた。過度な高温多湿のため、幼菌の段階からすでに腐敗が始まり内部から虫に食われていたようだ。


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