2017年11月30日(木) カサ表皮がとてもよく似た硬質菌
 数日前朝の散歩の折に、複数の倒木に群生する硬いきのこに出会った(a, a')。いずれもカサ表皮は同じような感じで、環紋があり疎毛に覆われ、傘の縁は薄い。
 きのこをはがして裏面を見ると両者とも管孔だが、上段のきのこでは孔口は放射状に並び、溝状から長楕円形、あるいは迷路状になっている(b, d)。溝は1mmに2本ほどある(d)。一方、下段のきのこの孔口は円形でとても小さく、1mmに3〜4個ほどある。両者の断面を見ると、いずれもカサ表面に疎毛があるが、子実層の穴の幅はまるで違う(e, e')。フロキシン・消しゴム法で両者の菌糸型を見ると、いずれも三菌糸型で、原菌糸も、結合菌糸も、骨格菌糸も同じような形と太さで、これを見た限りではほとんど差異を感じられない。
 上段のきのこはオオチリメンタケで、下段のきのこはアラゲカワラタケだろう。この両者は裏面を見れば簡単に区別できるありふれたきのこだが、カサ上面だけをみるとこのケースのように実によく似ていることがある。冬の時期には胞子を観察することはできないのが残念だ。なお、オオチリメンタケについては2年前にも各部の画像を載せている(雑記2015.11.24)。
 
発生状態 子実層面 カサ表皮 管孔 断面 菌糸型
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(a')
(a')
(b')
(b')
(c')
(c')
(d')
(d')
(e')
(e')
(f')
(f')
 昨日の暖かさは異常だった。朝の公園を散歩するにも半袖ポロシャツ一枚で十分だった。マスコミによれば小春日和とのことだが、「小夏日和」といった方がよいほどだった。


日( )
HOME