2020年7月21日(火)  五色山から前白根山へ:コマクサに会いたくて
 日光湯元温泉から中曽根コースを登って五色山を経て前白根山でコマクサとの出会いを楽しみ、白根沢コースから下山して日光湯元温泉に戻った(a)。
 現地の観光案内板やパンフレット、ハイキングの本などには中曽根コースが一般的なコースとして記されているが、このコースはほとんど廃道に近い状態になっていた。かなり山歩きの経験がないと、遭難の恐れが非常に高いと思われる。

 am5:10に自宅を出発し、am6:05頃に湯元温泉の駐車場に着いた(c)。看板の表示には中曽根コースが特に注意書きもなく記されていた(b)。湯元温泉から白根山方面へのコースは二つあるが、いずれも極度の急斜面が延々と続く。岩と泥の崩れやすい急斜面で、脚を思い切り高くあげて、木の根や枝に掴まりながら登降する必要がある。
 中曽根コースは最初だけは普通の遊歩道だが(d, e)、すぐに急斜面となり、いたるところで道が崩壊していて赤色の標識も一緒に流されていた(f, g)。適切なルートファインディングと読図能力がなければこの時点で身動きが取れなくなりそうだ。
 

(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 やっとのことで断ち切られた登山道の続きを見つけて急斜面を抜けると、一面の笹藪の斜面が広がる(h)。ところがこの笹薮が問題で、大部分が高さ2mに及びルートを見失いやすい(i)。獣道を歩いているようだ。深い笹薮の中には赤布の標識はなく、全身を思い切り前に倒して体重をかけないと通り抜けられない場所が大半だった。
 背丈の高い藪を超えるとようやく腰までの高さの藪となる。この辺りまで来ると男体山や湯ノ湖の展望が開ける(j)。やがて傾斜もゆるくなり国境平にたどり着く(k)。ここまで来るとようやくホッとすることができる。この先はしっかり踏まれた緩い傾斜の道が五色山まで続く(l)。その先の稜線も前白根山までとても緩やかだ。
 五色山(m)から前白根山(o)までの稜線では時折陽が射すこともあったが、おおかたは頻繁に深い霧、つまり雲の中となり、気温も摂氏12度と低く風も強いためとても寒かった。このため手足の指が激しいレイノー症状に襲われて辛かった(r)。自由に動かすことができず、激しい痛みも伴い、ものが掴めず足元は踏ん張りがきかない。
 しかし時折霧が晴れ日光白根山の雄姿と眼下の五色沼を仰ぐことができた(n)。前白根山周辺ではあちこちでコマクサが姿を見せてくれた(p, q)。白根山の雄姿とコマクサが気力と元気を与えてくれた。当初は五色沼に降りるつもりだったが、レイノー症状発症のため取り止めざるを得なかった。
 
(m)
(m)
(n)
(n)
(o)
(o)
(p)
(p)
(q)
(q)
(r)
(r)
(s)
(s)
(t)
(t)
(u)
(u)
(v)
(v)
(w)
(w)
(x)
(x)
 天狗平(s)の少し先までは緩やかな稜線が続く。そしていよいよ樹林の中に入り、崩れやすい岩の急斜面が始まった。急斜面は結構長い。この頃からレイノー症状が回復に向かったので助かった。木の根や枝に掴まれなければこの斜面は降りられない。
 急斜面を終えたところで白根登山道と書かれた大理石の大きな標石が現れ(t)、すぐに右上にリフト最高地点が見えてきた(u)。あとは緩やかなスキー場斜面をのんびり下って行き(v)、パトロール本部(w)の前を通りam11:00に駐車場に戻った(x)。

 中曽根コースは少なくともここ数年は登山道の整備はなされていない様子だ。それが昨年と今年の大雨による被害で、いたるところで急斜面の登山道が崩壊し、笹薮は伸び放題で足元もあちこちで不鮮明になったようだ。
 なお、今回は雷雨が予測されたので、防水機能のあるコンパクトデジカメしか持って行かなかったが、稜線ではとても風が強くて草花の撮影は困難を極めた。コマクサの写真は70枚ほど撮ったが、強風とレイノー症状のためピントの合っているものは5〜6枚だけだった。
 久々にルートファインディングの必要な山歩きだったが、結構楽しく歩けた。いろは坂を降りたところで市営温泉につかって、昼の12:30頃に帰宅した。  



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