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2017年4月9日() ウッドチップに群生するキノコ
 近所の農家の畑の一画でフキノトウを採っていたら、ウッドチップに脆いキノコが群生しているのに気付いた(a〜c)。一部を採取して改めてカサの側(d)とヒダの側(e)を撮影してみた。無理な姿勢のまま成長したのだろうか、ヒダやカサの形がクシャクシャになったものが目立つ。
 ルーペでカサ(f)とヒダ(g)を眺めてから、大きなキノコと小さなキノコのヒダを並べてみた(h)。柄を切り取ってカバーグラスに胞子紋をとった(i)。それをそのまま、いわゆるドライマウントの状態で、まず対物40倍レンズで(j)、次いで油浸100倍レンズで胞子を眺めてみた(k)。カバーグラスの脇から水道水を注ぐと俄かに胞子の形が変わった(l)。これが図鑑などに掲載されているときの姿だ。ドライマウント状態の胞子は学術的には積極的な取り上げ方はされていないが、種類によっては非常に興味深い役立つ情報を得ることができる。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
   
 面白半分にコットンブルー(m)とフロキシン(n)で封入してみた。いずれも胞子の内部がよくわかるが、メルツァー試薬で封入すると胞子に不透明な膜をかぶせたかのように、内部は全く見えなくなる。もちろん非アミロイド。
 ヒダをスライドグラスに寝かせてフロキシンで封入して縁をみると(o)、薄膜で透明な縁シスチジアが多数みられる(p)。次いでヒダの断面を切り出して(q)、先端を見ると縁シスチジアがある(r)。フロキシンで染めたヒダの一部をKOHで封入して軽く押しつぶしてみた(s)。クネクネと曲がった棍棒状の薄膜の縁シスチジア(t, u)、基部にクランプを持たない担子器(w)、やや小さめのクランプ(x)などが見えた。
 
(m)
(m)
(n)
(n)
(o)
(o)
(p)
(p)
(q)
(q)
(r)
(r)
(s)
(s)
(t)
(t)
(u)
(u)
(v)
(v)
(w)
(w)
(x)
(x)
 フクロタケやオキナタケの仲間がでてくれば面白いのだが、残念ながらチャムクエタケの仲間だった。チャムクエタケそのものなのかもしれない。