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2017年7月11日(火) ルーペでもシスチジアを確認できる
 日曜日(7/9)に宇都宮市の都市公園では何種類ものアセタケ属のきのこに出会った。一種類だけ持ち帰り(a, b)、あとで調べてみるつもりで冷蔵庫に放り込んだ。このことをすっかり忘れていたが、今朝冷蔵庫を開けて思い出したので、捨てる前に検鏡などをしてみた。
 きのこはすっかり乾燥していて、全体に縮んで小さくなり、ヒダは波打っていた。ルーペで見るとヒダや柄上部の表面には透明なシスチジアが無数に着いているのがみえた(c, d)。胞子をみるとコブだらけ(e, f)。きっとシスチジアは厚膜で先端に結晶でもついているだろうと予測した。
 ヨレヨレになったヒダを何とか取り外して、そのままフロキシンに浸したのち水で封入した。ヒダの縁をみると予測通りのシスチジアが見えた(g)。縮まり湾曲して崩れやすくなったヒダの断面を切り出してみた。先端にも側面にも同じような姿のシスチジアがある(h)。柄上部の表面にも同じような形のシスチジアがある(i)。
 改めてヒダの一部をつまみ出してフロキシンで染めてKOHで封入して押し潰してみた。シスチジア(j)や担子器(k)が見えた。念のためにカサ表皮の断面をみるとシスチジアはなかった(l)。

 保育社の図鑑に準拠するとコブアセタケ Inocybe nodulospora ということになる。このきのこのシスチジアは多数ある上に比較的大きいので、ルーペでみてもその存在がよくわかる。
 

(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)