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モミジウロコタケ:すりこぎ状糸状体が面白い | |||||||||||||
どこにでもあるモミジウロコタケは肉眼的特徴だけで比較的簡単に誰にでも同定できるきのこだ。このきのこを気まぐれに持ち帰っても、これまでは子実層面を傷つけて血色の液がでることと、すりこぎ状糸状体を確認したら、検鏡画面を撮影することもなく処分していた。しかしこれまでの「雑記」などをみると、過去に一度も検鏡画像などをアップした形跡がないので、今日は先月に検鏡した折に撮影した画像をアップした。 きのこを横に短冊状に切ってみると、カサの側の毛の生えた濃色の部分と子実層の側の淡色の部分が明瞭な境界をなしていることがわかる(e)。さらに薄切りにして顕微鏡でみると、カサ表面の側には毛の断面がパイプ状に見え(g)、子実層側にはイボのような小突起をもつすりこぎ状の組織が並んでいるのが見える(h)。すりこぎ状の糸状体は、フロキシンで染めて低倍率で見たほうがよくわかり(i)、倍率を上げるとピントがあわずにかえってわかりにくい(j)。フロキシン・消しゴム法で組織をばらして、すりこぎ状の祖組織と(k)、原菌糸・骨格菌糸をとらえてみた(l)。それにしても菌糸をほぐすのは根気がいる作業だ。 |
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