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2019年8月6日(火) とりあえずアカヒダワカフサタケとした
 8月4日(日)に真岡市の井頭公園で何種類かのHebeloma(ワカフサタケ属)のきのこにであった。持ち帰ったのはそのうちの一つ、柄の基部でつながったものだ(a, b)。
 胞子紋は短時間でたっぷり落ちた(c)。顕微鏡でみるといかにもHebelomaを思わせる姿だ(d)。ヒダの薄片切り出しを試みたが上手くいかなかった(e)。先端の縁シスチジアを確認できなかったが、縁にも側にもシスチジアがあることは分かった。とりあえず子実層の一部を撮影した(f)。ついでヒダを一枚取り出してフロキシンで染めて縁を見た(g)。沢山のシスチジアが群れている(h)。水道水を3%KOHで置き換えて軽く押しつぶした。縁シスチジアも側シスチジアも同じような大きさと形だった(i)。
 組織にはクランプが豊富に見られる(j)。特にカサ表皮やカサ肉の部分に顕著だった。カサの上表皮は細長い菌糸が平行気味に匍匐している(k)。また、担子器の基部にクランプは見あたらなかった(l)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 既にHebelomaに関わるモノグラフや専門書などは既に他人に譲ってしまって手元にはない。そこで保育社の新菌類図鑑の範囲で同定を試みた。するとアカヒダワカフサタケが最も近い。そこでアカヒダワカフサタケとすることにした。
 種の同定まで試みることはご愛敬で、今後ともにこのきのこをみたらHebelomaの仲間だと判定してそれ以上の追究をすることはほとんどないだろう。
 厳密な同定作業を試みれば、国内で見られるきのこの半分以上は未報告の新種ということになるのだろうが、そういった詳細で精密な同定や分類には関心がない。自分にとってきのこは属レベルまで分かれば充分だ。