HOME | 観察覚書:INDEX | back |
[標本番号:No.3 採集日:2006/07/16 採集地:栃木県、日光市] [和名:ウマスギゴケ 学名:Polytrichum commune] | |||||||||||||
|
|||||||||||||
日光で採取した蘚類を観察した(a, b)。朔はフェルト状の帽を被っている(c)。帽がとれると、朔は四角柱のように四つの稜をもち、口は平らである(d)。朔歯は細かいU字形で64枚あり、その内側は薄い口膜でおおわれている(e, f)。朔柄は中空である(g)。 葉を見ると縁がわずかに曲がり、中肋に平行に多数の薄板が見える(h)。葉の縁には鋭い鋸歯状の舷がある(i)。葉の断面を見ると多数の薄板が確認できる(j)。各々の薄板は5〜6層の細胞からなり、先端細胞はやや凹型をしている。胞子は類球形でとくに特徴はない。 葉に薄板があり、朔歯がU字形で64あることから、スギゴケ科となる。さらに、朔に4つの稜があり、帽はフェルト状であるから、スギゴケ属に落ちる。さらに鋸歯状の舷がみられること、薄板の末端細胞の先端の形が凹型をしていることなどから、ウマスギゴケPolytrichum communeとしてよいのだろう。 | |||||||||||||