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[標本番号:No.7 採集日:2006/08/20 採集地:栃木県、日光市] [和名:ホソバミズゼニゴケ 学名:Pellia endiviifolia] | |||||||||||
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日光で、清流の中やら、周囲の倒木の上に鮮やかな色の苔類がでていた(a, b)。苔類では油体というものの観察が重要だという。その油体は死んだり乾燥すると、揮発してなくなってしまうという。そこで、採取したコケはタッパウエアに入れて明るい所に放置しておいた。 やっと今日になって観察する機会があったので、タッパウエアから出した。心持ち色が褐色っぽくなっている。葉状体を一枚取りだして、腹側をみた(c, d)。腹鱗片らしきものははっきりしないが(c)、幅広い中肋部をもち、褐色を帯びた仮根は明瞭にわかった(d)。 葉状体のなるべく薄そうなところを顕微鏡で覗いてみた(e)。細胞膜の隅には肥厚部(トリゴン)はなく、小さな粒状の油体らしき物がたくさん見える(e)。葉状体を横断面で切ってみた(f)。組織は単純でほとんど分化していない。葉状体の端の方は数層の細胞からなっている(g)。仮根は単細胞で、細胞膜は薄く紫褐色に見える(h)。 別の葉状体の横断面をみると、背面に孔のような構造が見える(i)。しかし、この孔の中には同化系のような組織はみられない。この孔は一体何なのだろうか。 苔類で葉状体、断面の構造は単純だから、フタマタゴケ類となる。胞子体の様子がわからないが、「あり得ない科」を排除していくと、ミズゼニゴケ科に落ちる。さらに記載を読むと、ミズゼニゴケ属に間違いない。たぶん、ホソバミズゼニゴケとして間違いないだろう。 |
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