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[標本番号:No.20 採集日:2006/10/20 採集地:埼玉県、川口市] [和名:ハマキゴケ 学名:Hyophila propagulifera] | |||||||||||||||||||
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10月20日に自宅団地屋上で採取したコケのうちの最後の一つを観察した(a)。ギンゴケやホソウリゴケなどと混在しながら発生していたので、採取時にはハリガネゴケ科ではないかと思っていた。近づいてよくみると、乾燥時には葉が上方にすぼんだように巻き込んでいる(b)。 採取から1週間以上経過していたので、最初に一部を水没させた。濡れると葉が開いた(c)。先端の方に密集して生えている。数本をルーペの下で乾燥状態(d)、湿った状態(e)でみた。上部の葉の基部に細かい粒が見える。顕微鏡で覗いてみると、タマゴ型の無性芽だ(f, g)。 葉を一枚取りだして、乾燥状態と湿った状態を比較してみた(h, i)。タマゴ形の葉には太い中肋が顕著で、葉先にまで届いている(i)。葉は全縁で舷はなく、葉先や中程の葉身細胞は丸みを帯びた方形である(j, k)。葉の基部では、矩形で厚い膜をもっている(l)。 葉の横断切片を作ってみた(m)。先端付近の葉では中肋はとても太く、ガイドセルが目立ち、背腹両面にステライドがみられる(n)。緑色の葉身細胞にはマミラが見られる。褐色を帯びた葉の基部では、中肋の横断面は上記と同様であるが(o)、葉身細胞には、マミラも葉緑体もほとんど見られない(p)。センボンゴケ科のハマキゴケ Hyophila propagulifera のようだ。 これらの横断切片はヤマブキのピスを用いて作った。コケカッターを使って横断切片を切りだしてみた。ギンゴケやホソウリゴケなどでは悪戦苦闘したが、大きめのしっかりした葉をもつハマキゴケでは、比較的楽に切り出せた。茎ごと一緒に切り出した(q, r)。 |
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