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[標本番号:No.32   採集日:2006/11/08   採集地:埼玉県、川口市]
[和名:ミカヅキゼニゴケ   学名:Lunularia cruciata]
 
2006年11月14日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 自宅のある団地の樹下には至る所にコケが一面に広がっている(a)。近づいてみると無性芽をつけた葉状体苔類ばかりだ(b, c)。ゼニゴケ Marchantia polymorpha でないことは無性芽器の形からすぐわかる。葉状体をひとつ一つほぐしてみると、一個体は意外と小さい(d)。
 裏面を見ても仮根ばかりで、腹鱗片がよくわからなかった(e)。横断面をみると、組織がよく分化している(f)。気室らしき膨らみがあちこちにある(g)。その中心あたりを切断してみると、一層からなるアーチ型の気室を確認できる(h)。気室の底には同化系がみられる。
 仮根には二種類あり、有紋型(i)と平滑型(j)が確認できる。無性芽には鼓型をしたものが多い(k)。葉状体の横断面には、茶色の塊をもった細胞が見られる(l)。簡単に同定できるコケではあるが、ミカヅキゼニゴケ Lunularia cruciata も一度は顕微鏡でみておくのも悪くない。